良い採卵・受精・分割にするために鍼灸は効果的ですか?通う頻度はどれくらい?
相談者
ペコさん(39歳)
■ KLC系列のクリニックで初めて採卵をしましたが、1つは受精せず、1つは3分割で停止してしまいました。先生から「加齢と1か月前まで通っていた病院で使用したHCG注射の影響が考えられる。このままでは同じことのくり返しなので、フラノバールで調整をとりましょう」といわれました。良い採卵・受精・分割にするために鍼灸は効果的でしょうか?
鍼灸治療の前に生活習慣を改善することが、良い結果につながる
受精しなかったり、分割が進まない体験をされている方は、ペコさんに限らずうちの患者さんでもいらっしゃいますよ。治療も大切ですが、その前に生活習慣の改善をしましょう。それが良い結果につながっていくからです。
体脂肪率は高くても低くても影響がある。適正が妊娠しやすい体の条件
一人ひとり改善する内容は違いますが、ペコさんの場合は今までの経緯を拝読したところ、3か月ほど前から月経血の量が減ったことや、流産を体験されていることから、体の冷え、とくに下半身の冷えの影響もあるのではないかと思えます。せっかく血流を良くする当帰芍薬を服用されているのですから、衣類や寝具、入浴法、睡眠時間、疲労、食生活や生活習慣の改善をプラスしてみてください。相乗効果が出ると思いますよ。また、ペコさんの体重は身長と年令からは適正範囲ですが、体脂肪は適正範囲でしょうか?体脂肪は少なすぎても多すぎても卵に影響します。もしも体脂肪が、年令から見て適正範囲を超えているなら、食事の時間帯や内容、バランスを改善してください。適正な体脂肪率になれば、より早く妊娠しやすい条件の体に整うと思います。一人ひとり違う生活習慣のなかで、自分自身の負担になっている点を改善し養生することは、自然妊娠でも、人工授精や体外受精でも、良い結果につながりますよ。
初めのうちは1週間から10日に1回の間隔での通院をするのがおすすめ
鍼灸治療を行うことで、女性の卵巣に影響する腎や脾の機能や、生殖機能のなかでも、卵巣や卵管に影響する肝・膀胱(婦人科に関係のある経絡)の機能が高まるという例が、当院の患者さんにも多くいます。鍼灸治療の通院期間や回数は症状によって個人差があります。私の所では、東洋医学的に良導絡という機械で子宮や卵巣の状態が把握できるので、その数値によって治療期間の目安がつきます。最終的には月1~2回で大丈夫ですが、初めのうちは1週間から10日に1回の間隔での通院が一般的で効果も期待できると思います。
直永 せつ子 先生
自分自身の不妊を夫の治療で克服した体験を活かしたくって、明治東洋医学専門学校鍼灸科卒業後、日本不妊カウンセリング学会認定、不妊カウンセラーの資格を取る。不妊患者さんのメンタルをサポートしながら、必要な方には栄養指導面のアドバイスも行う。