【特集】睡眠でワタシを変える
コラム 女性の健康
【特集】睡眠でワタシを変える
これまで2000人の女性に睡眠のとり方を指導し悩みを解決してきた睡眠改善インストラクターの小林麻利子さんにお話をお聞きします。毎日の習慣を少し変えるだけで睡眠が変わり、体と心が生まれ変わったような自分に出会えるかもしれません。
「健康な体をつくるために睡眠は大事」誰もがよく聞く言葉です。あなたはよい睡眠がとれていますか? 体調は万全で、気持ちは前向きに保てていますか? そもそも理想的な睡眠とはどのように眠ることなのでしょうか。これまで2000人の女性に睡眠のとり方を指導し悩みを解決してきた睡眠改善インストラクターの小林麻利子さんにお話をお聞きします。毎日の習慣を少し変えるだけで睡眠が変わり、体と心が生まれ変わったような自分に出会えるかもしれません。
※2019年8月24日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.43 2019 Autumn」の記事です。
- 「不妊治療の流れ」まとめ
- ●自律神経を整えると世界が変わる。そのためには眠りの改善がポイント
●感情を感情でコントロールしない。行動して習慣を変えることが大事です
自律神経の乱れがすべての不調の根源
よく眠れない、朝起きた時に爽快感がない、ずっと便秘が続いている。あるいはストレス太り、生理不順、肌荒れ…。こうした悩みを抱えながらも日々の仕事に追われたり、体質だからしかたないと諦めていたり。でも実はほとんどの不調、悩みの原因は自律神経の乱れにあります。
自律神経は呼吸や血圧、消化など体中のすべての器官を動かしています。自律神経には交感神経と副交感神経があり、日中の活動期には、体にとってアクセルのような役割を果たしている交感神経が優位になり、反対に夜はブレーキのような役割の副交感神経が優位になるようプログラムされています。でも、この自律神経が乱れるとホルモンバランスが崩れ、さまざまな不調をもたらすことになってしまいます。
自律神経を整えるには生活習慣を変える
質の高い睡眠をとるため、お風呂を使わない手はない
睡眠の質を高めるために活用したいのがお風呂です。日中は交感神経が優位になっているため、夜ぐっすり眠るためには副交感神経を優位にさせなければなりません。そのためには体の深部体温を下げる必要があるのですが、眠る前にお風呂に入り、いったん深部体温をグッと引き上げることで、体が熱を放射し、その後、勢いよく深部体温が下がり、より効果的に深い眠りにつくことができます。途中で起きることもなく朝までぐっすり眠れます。
よい眠りには朝の太陽の光が不可欠
また、睡眠には、朝の太陽の光も大切です。どれだけ浴びるかで睡眠の質が変わってきます。
朝の太陽を浴びるとセロトニンという脳内物質が増えます。セロトニンは幸福ホルモンとも呼ばれ、幸せを感じさせてくれるホルモン。自律神経を整えてその日1日を爽快に活動的に過ごさせてくれます。このセロトニンが夜になるとメラトニンに変わります。メラトニンは夜、ぐっすり眠るために必要なホルモン。つまり、1日の始めにセロトニンがしっかり分泌していれば、その日の夜はメラトニンがたくさん出て熟睡できるという生活サイクルをつくることができます。それを続けることが、おのずとよい生活習慣につながっていきます。
睡眠時間は人それぞれ。自分の最適を知っておこう
よく夜10時から深夜2時までが「睡眠のゴールデンタイム」と言われたりします。体の修復が最も多く行われるのは確かですが、成長ホルモンは何時に寝ても分泌するので、それほど気にしなくていいと思います。それよりも大事にしてほしいのは毎日同じ時間に眠るサイクルをつくること。
寝始めてからの90分間、ここで深い眠りを得られれば、成長ホルモンはたくさん分泌します。これが引き金になって次の90分にさらに深い眠りが得られ、成長ホルモンが分泌します。「今日は早めに寝よう」といっていつもより早く寝たり、逆に遅く寝たりするのもあまりよくありません。寝始めの成長ホルモンの分泌量が変わってしまうからです。
行動すると体が変わる体が変わると心も変わる
質のよい睡眠をとるためにはズバリ行動を変えること。といっても決して大げさなものではありません。1日をとおして行動を少しずつ変えるだけで、これまでとは違う睡眠をとることができます。3日続けると、はっきりと体と心の変化に気づくでしょう。
眠る前にはストレッチをしたり、好きな香りを嗅いだり、自分が心地よいと感じる時間をつくりましょう。眠りの質を低下させるものにブルーライトがあります。夜遅くにネットサーフィンなどによってブルーライトを浴びると、眠りホルモンであるメラトニンの分泌が少なくなり、寝つきが悪くなります。交感神経が刺激され優位になるので、血液中の酸素状態が悪く、筋肉もグッと萎縮してしまいます。
日中は小刻みにストレスをためない行動をとることも大切。たとえば、仕事中、イライラするようなことがあれば、呼吸を意識してみましょう。呼吸の仕方は秒針の速度で3秒吸って、2秒息をとめて、5秒で吐く。心臓の鼓動と共鳴する速度なので、それだけで副交感神経が働きます。たった1回でもいいですし、1分でもOK。もしくはトイレやコンビニに駆け込んだり、ちょっと伸びなどストレッチをしてみるのもストレスから自分を解放できます。
イライラとか憂鬱といった感情は、感情でコントロールできません。そのために必要なのが行動です。行動すると体が変わってきます。体が変わると心も変化していきます。私が気になるのはやはり妊活中のストレス。サロンの生徒さんのなかにも、周りからのプレッシャーや「なぜ、私には子どもができないの?」と悶々と日々を過ごしていらっしゃる方がおられました。でも、行動で体を整えると、気持ちまで変わり元気になられます。気持ちで解決するのではなく、何かアクションを起こすことで人は変わっていくものなのです。
よい行動習慣を妊活中からつけておくことは、妊娠後の赤ちゃんにもよい影響を与えます。ぜひ今日から行動してみませんか。
出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.43 2019 Autumn
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