【特集2】きちんと食べるしっかり動く、が冷え性改善の鍵!
コラム 妊活
【特集2】きちんと食べるしっかり動く、が冷え性改善の鍵!
冷えと不妊の関係は明らかにはなっていませんが、体が冷えると血液の巡りが悪くなり、赤ちゃんを迎える十分な備えが整わないことも。また、体温が低いと免疫力が落ち、思わぬ不調の原因にも。今のうちにしっかり改善し、元気なママを目指して!
これからの季節、つらさが増す「冷え性」。冷えと不妊の関係は明らかにはなっていませんが、体が冷えていては血液の巡りも悪くなり、赤ちゃんを迎えるための十分な備えが整わないことも。また、体温が低いと免疫力も落ちるので風邪などにもかかりやすく、思わぬ不調の原因にも。今のうちにしっかり改善し、元気なママを目指して!
※2019年11月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.44 2019 Winter」の記事です。
- まとめ
- 栄養バランスの整った食事と適度な運動、日中は活発に過ごし、夜はぐっすり眠る。
規則正しい1日の積み重ねが大切です。
「冷え」を訴える女性は増加中!現代女性の低体温も気になるところ
西洋医学においては、“冷え性”は病気ではありませんし、すぐに対処・治療すべき症状でもありません。それでも産婦人科医の立場からすると、「手足が冷える」といった症状を訴える患者さんは年々増加する傾向にあり、不妊をはじめ、月経痛や月経不順といった何かしらの不調の原因になっているとは感じています。実際に基礎体温を測ると、昔よりも2度近く下がっていて、当院の患者さんでも低温期の平熱が35℃台の方が4割程度もいます。冷え性の定義はありませんが、「私は冷え性かもしれない」と自覚されている方は、冷え性と思ってよいでしょう。
低体温の女性は月経不順になりやすいというデータも
血液検査で足りない栄養をチェック。まずは朝食から見直しを!
冷え性や低体温、低血圧を訴える患者さんには、まず血液検査をおすすめしています。血液中のヘモグロビンだけではなく、鉄分や亜鉛といった血液成分まで検査するとよいでしょう。同時に、念のため甲状腺疾患の有無なども調べておくと安心です。女性は月経で毎月血液が失われるために、どうしても貧血になりやすい傾向にあります。血液検査で足りない成分が判明すれば、食事に気を配って積極的に補うことができます。
「葉酸やビタミン剤などのサプリメントをのんでいるから大丈夫」という方も、過信は禁物です。健康の基本はやはり食事にあり、食事から得た栄養が体をつくります。
特に、朝食は食べない、もしくはスムージーだけといった食習慣は要注意です。冷えを訴える患者さんには、朝食を食べない方が実に多いのです。朝に欠食すると身体でも脳でもエネルギーが不足し、一日を元気にスタートすることができません。スムージーなどは健康的なイメージがありますが、生野菜や果物の多くには体を冷やす作用があります。理想的なのは、ご飯、豚汁などの具だくさんの味噌汁、納豆、卵料理といった朝食。温かい食べ物は物理的にも体を温め、米などの糖質はすぐに体と脳の栄養となり、肉・魚・豆・卵に含まれるたんぱく質は筋肉や細胞の材料となって働きます。もしもダイエット中ならば、朝食はしっかりと摂って夕食を控えるとよいでしょう。
筋肉不足も低体温の原因に。ウォーキングなどで血行を改善
血の巡りをよくするためには筋肉づくりも大切で、特に脚の筋肉は“第二の心臓”と呼ばれるほどです。脚の筋肉が衰えるとポンプ機能が働かず、重力で下半身に溜まった血液や体液を心臓に圧し戻すことができなくなり、むくみやすくもなります。有酸素運動のウォーキングは手軽で最善の改善法です。太陽光を浴びると、ビタミンDを体内生成することもできるので、日焼けの心配をあまりしなくてもよい早朝などに歩いてみましょう。顔はしっかりUVケアしても、手のひらやひざ下を日光に当てるだけで十分です。
「冷え性」だけをピンポイントに改善することは困難です。栄養バランスの整った食事と適度な運動を心がけ、日中は活発に過ごし、夜はゆっくり湯船に浸かって入浴してからぐっすり眠る、こうした規則正しい1日の積み重ねが改善の第一歩であり、健康づくりの基本だと心得ましょう。
- アドバイス
冷え性だけを改善するのは不可能。「健康な体づくり」を目指して! - 腹巻をする、靴下を履くなどの一時的な外側からの対処法では根本的には改善しない。体の内側から温めるには、体を温めるものを食べる、軽く汗ばむ程度の運動をするといったことの積み重ねが大切。重症なら婦人科に相談を。
「血液検査をしよう」
貧血や低血圧、足りない栄養素をチェックして、専門医からアドバイスをもらおう。
「朝食を食べよう」
1日を元気にスタートさせるには充実した朝食を。早起きを心がけ、朝は余裕をもって。
「脚を鍛える運動を」
脚は第二の心臓。エスカレーターではなく階段を使うなど、毎日小さな努力を!
出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.44 2019 Winter
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