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【Q&A】CD138について -浅田先生

専門医Q&A 不妊治療

【Q&A】CD138について -浅田先生

CD138検査を受けたが、結果の詳細がよくわからない。浅田レディースクリニックの浅田義正先生にお答えいただきました。

2020.7.4

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相談者:ビタマイザーさん(33歳)



CD138について
先日CD138検査を受けました。子宮鏡と同時に内膜掻爬されています。
結果は「5,2/全視野」でした。インターネット等で検索すると「○/10視野」「○/20視野」との記載は見つかります。
医師からは
・5だけど全視野だからね〜とりあえず抗生剤飲みましょう
・全視野が数でいくつを差すのかは分からないね。
と言われました。
陽性基準が定まっていないことは理解できています。
ただ、全視野とはどの程度の数なのか? コンマ(,)の意味は何なのか?
医師も分からないと言われて非常に困っています。
検査会社にお聞きしましたが、守秘義務なので…と答えていただけませんでした。
解説をお願いしたいです。
※切り出し情報は「多数」合計カセット数「1」とあります。



CD138 というのは、どんな検査ですか?




CD138検査とは、慢性子宮内膜炎を検査するもので、生検し、形質細胞が組織的にいくつ見られるかということで診断するものです。

実際のところ、全ての産婦人科医が慢性子宮内膜炎という病態を認めているわけではありません。また、昔から産婦人科の教科書に載っている内容でもありません。新たに提唱する論文が出たという段階のもので、エビデンスレベルも全く定まっていません。慢性子宮内膜炎という概念も、組織で診断すべきというもの、子宮鏡で子宮内膜を見て診断すべきというもの、遺伝子的な検査で診断すべきというものと様々です。疑われる菌に関しても、定まった知見があるわけではありません。また、組織診、子宮鏡、遺伝子的検査の結果が一致していないことも、大きな問題となっています。つまり、診断法すら確立されていないので、「医師にも分からない」は当然のことです。

いずれにしても、妊娠する・しないということに関し、CD138の診断が大きな臨床的意義を持つとは思いません。いまだに初歩の研究的段階にあると言っても過言ではありません。

現在、PGT-Aによって、受精卵の染色体検査が可能になってきました。

大きな染色体異常の無い卵を戻したうえで、慢性子宮内膜炎という病態が実際に存在し、それによって妊娠が妨げられているということを検証していくのはこれからです。慢性子宮内膜炎に関する論文が数多く発表され、世界的に議論が盛り上がりをみせているとは、私も現在思っていません。このような検査は過去にも色々ありましたが、それらと同様に、CD138はやがては消えていき、決定的な検査となることは無いのではないかと推察しています。


 



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お話を伺った先生のご紹介

浅田 義正 先生


名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の勝川、名古屋駅前のほか、昨年5月には東京・品川駅前にもクリニックを開院。

≫ 浅田レディースクリニック

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