【Q&A】高度不妊治療の移植前について -北村先生
専門医Q&A 不妊治療
【Q&A】高度不妊治療の移植前について -北村先生
移植前に性交渉をすると着床率があがるという情報、正しい? 明大前アートクリニックの北村誠司先生にお答えいただきました。
相談者:早くコロナが落ち着きますようにさん(38歳)
現在体外受精を3回試みましたが、その内2回は陽性が出てすぐに流産、1回は陰性でかすりもしませんでした。
サプリを飲んだりストレッチやヨガを毎日したり、体を冷やさない取り組みや栄養をつける事など、出来るだけの事は取り組んでいるつもりです。
他に何かできることがあるのではないかとネット検索していると、高度不妊治療の移植前には性交渉を行った方が着床の確率が上がるという内容を目にしました。精液が体に作用して着床しやすくなるという内容でした。
初期胚の場合は移植の5日前に、胚盤胞移植の場合は2〜3日前に性交渉を行うことが望ましいとのことでしたが、本当のところはどうなのでしょうか、教えてください。
北村先生の回答
だいぶ昔の論文、2000年のもので、胚移植前後の性交渉は妊娠継続率を引き上げるという内容でしたが、これが根拠となっていると思われます。
妊娠率は変わらなかったそうです。妊娠6~8週の継続率が対象となっていて、生産率ではなかったです。
通常、胚移植の周期には、避妊を指示することが多いと思いますが、多胎や異所性妊娠の区別が目的とされています。
胚移植前後の性交渉は生産率を上げていないことから、避妊して頂くと有難いですね。どうしてもと希望される場合は、禁止する程の事でもないですし、交渉をとってもよいと思います。