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妊婦さんが注意したい「妊娠糖尿病」について

コラム 妊娠・出産

妊婦さんが注意したい「妊娠糖尿病」について

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2016.6.22

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妊婦さんが注意したい「妊娠糖尿病」について


「妊娠糖尿病」をご存知でしょうか? 妊婦さんの10人に1人は妊娠糖尿病と診断されており、妊娠糖尿病は決してめずらしいものではありません。

今回はこの「妊娠糖尿病」について医師に伺ってみました。


Q1. 妊娠糖尿病とは?


妊娠糖尿病とは妊娠中に生じた糖の代謝異常のことをいいます。(妊娠前から糖尿病がある場合は該当せず、糖尿病合併妊娠とよびます。)糖の代謝異常は、妊婦さんや赤ちゃんへの影響がでるため,妊娠初期と中期の妊婦健診で妊娠糖尿病についてスクリーニングをします。スクリーニング法には血液検査の空腹時や普段の血糖値または50gの糖を含む甘い液体を飲んだ後に血糖値を測るという方法があります。さらにスクリーニングで陽性であった人には75gの糖を含む甘い液体を飲んだ後の血糖を測ってさらに詳しく調べます。


Q2. 妊娠糖尿病の原因は?


血液中の糖はインスリンというホルモンによって細胞内にとりこまれ、エネルギーとして使われていますが、このインスリンの量が少なくなったり、働きが悪くなると糖がとりこまれず、血糖値が高くなります。妊娠すると胎盤からつくられるホルモンや酵素により、インスリンが効きにくくなるのです。そのため、妊娠すると血糖値が高くなりやすくなるのです。


Q3. 妊娠糖尿病の症状について教えてください。


<妊婦さんに心配されること>
・流産や早産の危険性が高まる
・妊娠高血圧症候群になりやすい
・羊水が増えやすい

<赤ちゃんに心配されること>
・巨大児になるこもあるが、重症な糖尿病では、かえって低出性体重児になることもある
・妊娠初期に高血糖があった場合は奇形をおこすこともある
・出生後の呼吸困難(肺の成長が未熟になるため)になることもある


Q4. 妊娠糖尿病の改善法、予防法は?


妊娠中はつわりにより、食事の内容や量も妊娠前とは変わることが多くみられます。妊婦さんがカロリーを過剰に摂取していまうと、妊娠糖尿病になりやすいので気をつけましょう。しかし、厳しく制限しすぎてしまうと、赤ちゃんとご自身の身体に必要な分が足りなくなってしまう可能性もありますので、適度な食事内容と食事量を心がけましょう。

また妊娠中は食後の血糖があがりやすいので、食後は軽いウオーキングなど無理ない範囲で運動を心がけてください。体重に関しては、妊娠糖尿病であってもなくて、妊娠前の体格によって推奨される体重の増加が決められています。

・適度な体格の方
妊娠前BMI 18.5-25の場合は7-12kgの体重増加

・やせ型の方
妊娠前BMI18.5未満の場合は9-12kg

・肥満の方
妊娠前BMI25以上の場合は4-6kg

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

食事や運動によっても改善しないような場合にはインスリンを使用することもあります。


Q5. 妊娠糖尿病になりやすい人の特徴は?


・肥満
・糖尿病の家族歴のあるかた
・高年妊娠
・巨大児出産既往のあるかた
…などは、妊娠糖尿病になりやすいと考えられています。食べづわりで、妊娠中に急激に体重が増えていたりする方も糖分やカロリーを取りすぎてしまうことがありますので、ご注意ください。


あい先生からのアドバイス


妊娠糖尿病は、決してめずらしいものではなく、妊婦さんや赤ちゃんへの影響が大きいものです。きちんと妊婦健診を受けて、ご自身や赤ちゃんの状態を把握しましょう。そして妊娠糖尿病を指摘された妊婦さんは将来的に糖尿病になりやすいこともわかっています。ですから、産後も健康診断などを利用して血糖値のチェックをしていくことが重要です。また、既に糖尿病と診断されていて、妊娠を考えている方は、妊娠前にきちんと治療を受けて血糖値を改善しておくことが重要です。妊娠のタイミングについても、早めに医師にご相談ください。

(監修:医師 あい先生)




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