西洋医学と中医学が結合した不妊治療法
「周期調節法」という言葉を、妊活中の方なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
周期調節法というのは、不妊治療法のひとつで、1980年代初期に中医学界で発表された「中西結合医学」です。中西結合医学とは、中医学と西洋医学を結合した医学のこと。つまり周期調節法とは、西洋医学で使われている基礎体温のグラフに中医学の「陰陽理論」を当てはめて女性ホルモンの変化を分析し、それに合わせて漢方薬を周期ごとに変更することで妊娠率を高める不妊治療法なのです。
近年、西洋医学の不妊治療の発展は目覚しく、その成果は不妊症で悩んでいた夫婦の悩みに応えています。しかし、その一方で、体外受精、顕微授精、ホルモン治療など、体への負担が少なからずともあることは否めません。
しかし、同じ不妊治療でも周期調節法なら、体が本来持っている力を尊重する中医学理論に基づいていますから、体の調子を整えながらホルモンの分泌を無理なく最大限活発にすることができるのです。ここが西洋医学のホルモン療法と大きく違う点だといえるでしょう。
春、長夏(梅雨)、夏、秋、冬と季節が違うように、個人の体質にもさまざまな違いがあります。それを分析して、その人にあった治療法を考えるのが周期調節法です。
西洋医学の不妊治療は高度医療を駆使して受精・着床させることが目的ですが、中医学は赤ちゃんの育つ母体の環境を整えることで妊娠可能な体になることが目的と考えます。この二つの考え方を融合させた周期調節法によって、自然妊娠の可能性がそれまでよりも高くなりました。
また、身体のリズムを整える中医学によって、西洋医学で行われる体外受精の成功率や受精卵の着床率も高められます。まさに中西結合医学である周期調節法は合理的な不妊治療法です。
次回は周期調節法を具体的に紹介します。
株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生
株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。
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