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不妊治療のために、今「知っておきたい」こと 4

インタビュー 不妊治療

不妊治療のために、今「知っておきたい」こと 4

医学の進歩とともに、日々更新される情報。ときおりは、不妊治療においても新しい風が吹くことが!そんなトピックスをまじえながら、桜十字渋谷バースクリニックの井上先生に今後期待される治療法を解説していただきます。

2019.5.22

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第四回「Piezo(ピエゾ)-ICSI」について




微細な振動で卵子に穴をあけるピエゾ法


一般的な顕微授精(ICSI)は、細い注射針(インジェクションピペット)の先端で卵子の透明帯(殻にあたる部分)を突いて押し破り、さらに細胞質の膜を吸い込んで破るという方法で卵子の中に精子を注入します。針を突き刺して、押し入れるので、この際にはどうしても卵子が少し変形してしまい、場合によってはストレスを与えかねませんでした。
これに対して【ピエゾ(Piezo)法】は、ピエゾ波というパルス(微細振動)を与えながら透明帯や細胞膜に穴をあけて突破し、精子を注入するという方法です。大きな違いとしては、



○インジェクションピペットの先がフラットで過度に卵子を圧迫しない。
○透明帯をほぼ変形させずにピペットを貫通させることができる。
○細胞膜を吸引する必要がない。

といった特長があります。


老化した卵子、融解卵子など、弱った卵子に


卵子にとって優しいICSI方法ですので、特に高齢の患者さんの老化した卵子や、凍結後に融解した卵子などには大変有効な治療法です。卵子が壊れやすく、これまでの顕微授精には耐えられずにうまくいかなかったという場合であれば、使える卵子の数が増えることによって、妊娠の可能性が高まることが期待されます。

しかし、まだ導入していないクリニックも多く、実施にはピエゾ法のトレーニングを積んだ培養士が不可欠ですので、クリニック選びの際は確認しましょう。


トレーニングを受けた培養士がいるか、確認


当院では、培養士のピエゾ法トレーニングを院内で実施しています。料金も一般的なICSIと変わりませんが、従来のICSIに耐えられるしっかりした卵子である場合は、特にピエゾ法をお勧めしていません。新しい治療法が、ご自分にとってのベストとは限りません


まとめ



・弱った卵子に負担の少ない顕微授精法
・まだ実施できる培養士が限られている
・ピエゾ法がMyベストとは限らない


・不妊治療のために、今「知っておきたい」こと(第一回)
・不妊治療のために、今「知っておきたい」こと(第二回)
・不妊治療のために、今「知っておきたい」こと(第三回)


お話を伺った先生のご紹介

井上治 先生(桜十字渋谷バースクリニック院長)


医学博士、日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医、日本生殖医学会認定生殖医療専門医、母体保護法指定医。2005年福岡大学医学部卒業、2007年 慶應義塾大学病院産婦人科医局入局、2016年東京歯科大学市川総合病院勤務、2018年より現職。「患者さまの思いに寄り添い、現代を生きる女性たちが自分らしく、自分が望む生き方ができるよう、さまざまにサポートしてまいります」(井上院長)



≫ 桜十字バースクリニック

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