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卵管閉塞や卵管癒着の場合、卵管切除術を受けるべき?

コラム 不妊治療

卵管閉塞や卵管癒着の場合、卵管切除術を受けるべき?

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2020.4.2

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※2020年2月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.45 2020 Spring」の記事です。


ももさん(38歳)からの相談
▶︎卵管切除術について
不妊治療歴10カ月。卵管造影検査を2回受けました。1回目は、卵管は通っているものの癒着と診断され、クラミジア検査では陽性。タイミング法を6回、人工授精を3回しましたが妊娠せず。その後、別の病院で検査をしたら右は卵管閉塞、左は卵管癒着と診断、両側の卵管切除をすすめられましたが、受けなければならないものでしょうか? また、クラミジア検査で陰性でしたが、炎症が進み、通っていた卵管も閉塞したのでしょうか。

お話を伺った先生のご紹介

福田 勝 先生(福田ウイメンズクリニック)


順天堂大学医学部・同大学院修了。米国カリフォルニア大学産婦人科学教室留学後、順天堂大学医学部産婦人科学教室講師を経て、1993年福田ウイメンズクリニック開院。2018年11月に、より最寄り駅に近く、広々とした場所にクリニックを移転したばかり。

≫ 福田ウイメンズクリニック

卵管癒着と卵管閉塞はどんな病気?原因は何?


卵管閉塞とは、卵管がふさがってしまう病気です。そうなると卵子と精子が出会うことができないため、妊娠には至りません。卵管癒着は、卵管とその周囲の器官がくっつき動きが鈍くなります。通常、卵巣から排卵された卵子は、卵管の先端にある「卵管采」がキャッチし卵管へと送られますが、癒着により卵管采の動きが鈍くなると、うまく卵子をピックアップできなくなってしまいます。
いずれも子宮内膜症やクラミジアなどの性感染症が原因のことが多いとされています。


1回目卵管癒着、2回目右側は卵管閉塞と診断。クラミジアが関係?


「過去において感染した」とあるため、クラミジアについてはすでに治っているので、クラミジアの炎症が進んで閉塞したわけではないと思います。
卵管造影検査は、検査を行う人、その日の患者さんの検査時の痛みの感じやすさなどによって検査経過が変わり診断結果が変わることがあります。おそらくモモさんの場合もそういった理由から1回目と2回目の診断結果が変わったと考えられます。


卵管閉塞や卵管癒着の場合、必ず卵管切除術を受ける?


単に卵管癒着や卵管閉塞だけの場合なら切除する必要はありません。癒着している部分をはがす「剥離術」や、閉じている卵管を切り開く「卵管開口術」という手術もありますが一般的には体外受精が選択されます。
ただし、卵管内に卵管液が溜まる「卵管留水腫」の場合、その卵管液が子宮に逆流し、受精卵の着床を妨げたり、子宮内膜によくない影響を与え、妊娠しづらくなります。いくら体外受精をしても妊娠できないということもあるので、「卵管留水腫」と診断されたら卵管液の子宮への逆流を防ぐために、卵管切除術やクリッピング術を受けることが大切です。
卵管留水腫は、卵管造影検査で比較的に容易に見つけることができます。「卵管閉塞」と言われた場合は卵管留水腫を伴っているかにより手術が必要かどうかが変わります。担当医と相談してください。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.45 2020 Spring
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