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【Q&A】 腹痛、胃痛が激しいです -浅田先生

専門医Q&A 不妊治療

【Q&A】 腹痛、胃痛が激しいです -浅田先生

排卵誘発剤を打ってから腹痛があります。浅田レディースクリニックの浅田義正先生にお答えいただきました。

2020.6.28

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相談者:meronnpanさん(35歳)



腹痛、胃痛が激しいです
自力で生理が来ない、卵胞が育たない状態です。
今回はフェリング150を12本打ち、初めて排卵誘発剤を打ってもらえるくらいになりました。26,22,18ミリ。後小さいのが何個か。
排卵誘発剤の注射を打ってから2日後からずっとお腹が張って歩くと響く痛みがあります。無理を押してタイミングを取ったのですがその後胃の痛みも出始めました。尿はちゃんと出ています。大丈夫なものでしょうか?



浅田先生の回答




35歳でAMHが1.4ですので、卵巣予備能(卵巣の中に残っている卵子の数の目安)が低いことは確かです。しかし、通常は、それが原因で自力で生理が来ない状態にはならないと考えられますので、他の原因があるかもしれません。

フェリング150の注射を打ち、初めて排卵誘発剤を打ってもらえるくらいになった、とのことですが、フェリング150自体が排卵誘発剤ですので、meronnpanさんがおっしゃる排卵誘発剤という言葉は、hCGを意味しているかと思われます。
hCGは、ある程度卵が育った後、その最後の段階で排卵の仕上げをするホルモンで、排卵誘発というよりは、排卵誘起、排卵惹起剤といった方が分かりやすいかもしれません。要するに、一般に言われている排卵誘発剤ではなく、最後の仕上げの薬剤ということになります。
hCGは、ほかの排卵誘発剤に含まれるFSHやLHというホルモンに比べて半減期(薬剤の血中濃度が半分になるまでの時間)が非常に長く、効果が長く続きます。そのため、meronnpanさんのように、打ってから2日目くらいで一番お腹が張った状態になります。ただ、その後は徐々に分解されて体から排出されるので、それ以上重症化することはありません。しかし、その後に妊娠が成立すると、胎盤の絨毛組織から妊娠性のホルモン(hCG)が分泌されるため、持続的なhCGの刺激によってlate onset(妊娠後に始まる卵巣過剰刺激症候群)になる可能性もあります。妊娠が成立しなければ、張りは引き、症状は治まっていきます。

35歳、結婚4年目で、治療もすでに2~3年受けられているとのことですので、ホルモン剤や排卵誘発に詳しい先生に診ていただくことをおすすめします。meronnpanさんの治療法を見る限り、昔の不妊治療だという印象が否めません。
注射で卵胞が多く育ちすぎた場合には、hCGではなくGnRHアゴニストを使用することで、副作用を抑えながら安全に最後の排卵をさせることも、今では一般的です。治療のステップアップも当然必要ですが、クリニックのステップアップも検討されてはいかがでしょうか。


 



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お話を伺った先生のご紹介

浅田 義正 先生


名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の勝川、名古屋駅前のほか、昨年5月には東京・品川駅前にもクリニックを開院。

≫ 浅田レディースクリニック

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