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【Q&A】3回流産後の3年間不妊-浅田先生

専門医Q&A 不妊治療

【Q&A】3回流産後の3年間不妊-浅田先生

3回の自然妊娠が流産、その後3年間不妊。考えられる原因と今後 必要な検査は? 浅田レディースクリニックの浅田義正先生にお答えいただきました。

2020.11.21

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相談者:おもちさん(31歳)



3回流産後の3年間不妊
2回目の初期流産後(胎嚢確認後と心拍確認後)、不育症の検査を受け、抗プロテインS抗体と血小板凝集能で軽度の陽性でした。
その後高温期中期からアスピリンを服用し、すぐに妊娠するも、また胎嚢確認後に流産しました。
3回の流産ともに絨毛染色体検査は実施しておりません。夫婦の染色体検査は陰性でした。
その後タイミング法と人工授精を4回試みましたが3年間不妊の状態が続いています。
今まで3回自然妊娠しているのにその後妊娠しないことに何か理由は考えられますでしょうか?
必要な検査があればご教授ください。
また、このようなケースの場合、体外受精、着床前診断について有用性はあると考えられますでしょうか?



浅田先生からの回答




3回流産をされているとのことですが、絨毛染色体検査を受けられていないことが大変残念です。
流産の原因の7~8割は、染色体異常です。
染色体異常が無くても、遺伝子の発現によって受精卵の成長が途中で止まることが主な原因であり、
流産という特別な疾患があると考えること自体が間違いだと思います。

高プロテインS抗体と血小板凝集能で軽度の陽性とのことですが、この検査はほとんど意味が無いと思います。
軽度の陽性というのがどの程度意義があるかというと、医学的にはほぼ意義がありません。その証拠に、アスピリンを服用しても流産したとありますので、流産の原因を受精卵ではなく母体の凝集能等で説明しようとすること自体、無理があります。

自然流産をされていますが、3年も不妊が続いているのであれば、早急に次のステップへ進み、早く子育てに入ることが大切だと考えます。現在は着床前診断(PGT-A)を受けることができる時代ですので、実施している施設を受診し、正倍数性の胚を移殖することで結果を出していただきたいと思います。

一つ気になる点として、正常精子率がサプリメントで4%から72%に上昇したとのことですが、精子の所見は、何もしなくても運動率も数も大きく変化します。正常精子率の検査自体が、あまり根拠のないものだと思った方が良いでしょう。

また、多くのサプリメントを服用されていますが、妊娠前に服用して赤ちゃんのためになるのは葉酸で、それ以外は効果が望めず、妊娠率も上がりません。葉酸も妊娠率を上げるものではなく、“妊娠してからの赤ちゃんのためのサプリメント”と考えた方が良いでしょう。

結果を出すことにこだわり、クリニックを選ばれるべきだと思います。


 



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お話を伺った先生のご紹介

浅田 義正 先生


名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の勝川、名古屋駅前のほか、昨年5月には東京・品川駅前にもクリニックを開院。

≫ 浅田レディースクリニック

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