妊娠中に積極的にとった方が良いと言われる葉酸。一方で、妊娠中期に葉酸を摂りすぎると、子どもがぜんそくになるという意見もあります。妊娠中期に葉酸を摂りすぎると、本当に子どもがぜんそくになるのでしょうか。詳しく解説いたします。
赤ちゃんの成長をサポートする葉酸
葉酸は、タンパク質や核酸の合成にかかわるビタミンB群のひとつです。日本人の食事摂取基準(2015年版)によると、成人女性の1日の推奨摂取量は240μgです。赤ちゃんの成長に欠かせない栄養なので、妊娠を計画している女性、妊娠中の女性は、より積極的に摂取すべきと考えられています。具体的には、胎児の神経管が形成される妊娠初期は240μg/日にプラスして400μg/日の摂取、胎児の成長にたくさんの葉酸が使われる妊娠中期以降は240μg/日にプラスして240μgの摂取が勧められています。
葉酸を摂りすぎると子供がぜんそくになる?
お腹の赤ちゃんの成長に葉酸は欠かせない栄養と考えられています。しかし、妊娠中期以降に葉酸を摂ることに不安を抱えている妊婦さんが多いようです。その理由として、妊娠中期以降に葉酸を摂りすぎると子供がぜんそくになりやすいことが挙げられています。この説の根拠になっているのが、オーストラリアの研究チームが行った調査です。調査では、「妊娠中に積極的に葉酸を摂取しなかったママから生まれた子ども」に比べ、「妊娠30~34週にサプリメントから積極的に葉酸を摂取していたママから生まれた子ども」、「妊娠全期間を通じてサプリメントから葉酸を積極的に摂取していたママから生まれた子ども」は、3歳、5歳時点でぜんそくを発症しやすいことが示されています。
妊娠中期以降は葉酸を控えるべき?
調査結果を見ると、葉酸を摂ることに不安を覚えてしまいますが、子どもがぜんそくになる可能性があるのは妊娠後期(30~34週)、あるいは妊娠期間中を通じ高用量の葉酸サプリメントを摂り続けた場合です。成人女性に勧められる推奨摂取量(240μg/日)に妊娠中に必要と考えられる葉酸(妊娠4週間前から妊娠12週目までは400μg/日、それ以降は240μg/日)を付加しても基本的には問題ないと言われています。不安を感じる方は、葉酸の摂取量をコントロールするとよいでしょう。葉酸は胎児の成長に欠かせない栄養なので、不足しないように注意しましょう。
まとめ
妊娠後期、あるいは妊娠全期間を通じて、葉酸を摂りすぎると子どもがぜんそくになりやすくなる恐れがあります。心配な方は葉酸の摂りすぎに注意しましょう。ただし、葉酸は子供の成長に欠かせない栄養です。妊娠中期以降も不足しないように摂取量をコントロールすることが重要です。
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