「ビタミンB群(水溶性ビタミン)」について
体の機能を調節したり、維持したりするために不可欠な有機化合物を「ビタミン」とよびます。
体の機能を調節したり、維持したりするために不可欠な有機化合物を「ビタミン」とよびます。体内では合成できないものや、できても量が足りない微量栄養素なので、必ず食品からとる必要があります。不足すると欠乏症が起きてしまいますので注意しましょう。
「ビタミン」というと、現代人に不足しがちな栄養素で体に良いというイメージから、とにかくたくさんの量を摂取すればよいとお考えをお持ちの方も多いと思います。でも一言に「ビタミン」といっても水溶性ビタミン、脂溶性ビタミンの2種類があり、全部で13種類もあります。中には過剰摂取注意なものもありますので、正しく理解をしておくことが大切です。水溶性ビタミンの中には、ビタミンB群とC群があります。それぞれ特徴がありますので、効率よく効果的に栄養素として吸収できるような豆知識を、今回は水溶性ビタミンの中でも、ビタミンB群について詳しく解説をしていきましょう。
ビタミンB群について
ビタミンB群は、主に8種類に分けられそれぞれ下表のような働きがあり、このような食材に多く含まれています。
ビタミンB2に関しては、ほとんどの食品に含まれていて、食品から大量に摂ると吸収率が下がり尿に排泄されるため過不足の起きにくいビタミンです。また、ナイアシンは体内で合成でき、パントテン酸とビオチンも腸内菌で合成できて多くの食品に含まれています。そのため、特に意識を高く持っておきたいのが、ビタミンB1、B6、B12、葉酸と言えるでしょう。ビタミンB1を無理なく毎日摂るには、白米は玄米、白い食パンは全粒粉パンにするなど、主食を白いものから茶色いものにシフトする意識を持つのがおすすめです。
ビタミンB6は女性ホルモンのエストロゲンの代謝に関与しているため、不足すると月経前症候群やつわりがひどくなるとも言われています。生理前や妊娠中には特に不足しないよう、鮮度の良いマグロやカツオの刺身を意識して食べ、炒め物などにはニンニクを使用し、おやつにはピスタチオやクルミを積極的に食べてみましょう。また特にお肉が苦手な方やベジタリアン志向の方はビタミンB12が不足しがちですので、シジミやアサリ、カキなど魚介類で補ってください。水溶性ビタミンは水に溶けますので、みそ汁やスープに利用する時には、汁まで残さないようにして頂いた方が良いですね。また一度に多く摂るよりも、毎食少しずつ摂るように心がけましょう。
ビタミンB1,B6を効率よく摂れる〜おすすめレシピ〜豚モモ肉のカレーしょうが焼き
ビタミンB1の豊富な豚モモ肉をさっと焼き、熱による損失を最小限にとどめます。またビタミンB1の吸収を高めるアリシンを多く含む長ねぎと一緒に調理し、ビタミンB6の豊富なニンニクも一緒に摂る事で、疲労回復効果にも優れたレシピです。フライパンひとつで10分もあれば調理できますので、忙しい日の夕食のおかずにもピッタリです。付け合わせには、葉酸を多く含むほうれん草のソテーを、ビタミンB12を多く含むシジミやアサリのみそ汁を合わせるとよりバランスの良い食事となります。
材料(2人分)
豚モモ肉(薄切り)…300g
長ねぎ…2本
A(カレー粉…小さじ1、酒・みりん…各大さじ2、しょうゆ…大さじ1、しょうが(すりおろし)…大さじ2、にんにく(すりおろし)…1片分)
塩・コショウ・薄力粉…適量
なたね油…大さじ1
☆作り方☆
1 豚肉に塩・コショウをふり、薄力粉をまぶす。
2 長ねぎは斜め薄切りにする。
3 フライパンに油を入れて熱し、②を焼き、しんなりしたら一旦取り出す。
4 ③のフライパンで、①を入れて両面焼く。
5 Aを加えてからめ、③を戻し入れて炒める。
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