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卵子の異常

インタビュー 不妊治療

卵子の異常

2017Webコラム

2017.7.14

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卵子の異常


2017/7/14 保坂 猛先生(三軒茶屋ウィメンズクリニック)







相談者:ゆうちゃまさん(34歳)


不妊治療7年目、採卵回数は10回以上、病院からは早発閉経になると言われています。最初の病院では人工授精まで、次の病院では胚盤胞になるまで培養しないと移植してもらえない病院だったため、また転院しました。今の病院では8分割胚で移植をしてもらえて、顕微授精で2回着床したものの、どちらも初期流産でした。毎回ある程度の卵はできるのですが、中身が空砲だったり、卵子に極体がなく未熟なのか、成熟しているけど極体が見えないのか分からないと言われています。極体がない卵子では妊娠、出産はできないですよね? 毎回同じ結果にしかならず、先が見えません…。着床しているのにどうしてなのでしょうか? 私の体質と関係があるのでしょうか?



 



卵子が空砲だったり、極体がなくて未熟、成熟しても見えないことはあるのですか?


ゆうちゃまさんの場合、早発閉経と言われているようなので、そもそも卵巣機能が低下していらっしゃいます。また、年齢とともに卵子の空砲率は上がるので“卵子が空砲”というのはよくあることです。しかし極体については「極体がなくて未熟、成熟しても見えない」ということはないですね。最後に「極体がない卵子では妊娠、出産はできないですよね?」とありますが、そもそも極体が未熟な状態で顕微授精は行いません。必ず成熟させた状態で顕微授精を行うのが前提と考えてください。極体についての話はちょっと難しいので、話が見えにくかったのかもしれませんね。
なかなか先が見えずに悩んでいらっしゃるようですが、今の病院に転院されて若い胚を戻して着床できたことは、一歩違うことができたととらえて良いと思います。転院を決断されたのは前進だと思います。

 



初期流産したことと体質は関係ありますか?


妊娠できなかったことは、受精卵にも問題があることが多いのですが、今後を見据えて不育症の検査をしてみるのもひとつの方法です。さらに染色体異常の検査も受けることも可能ですが、こちらに関しては遺伝カウンセラーと話して頂く必要があるので、遺伝カウンセラーのいる病院に行く必要があります。また、最近注目され始めている“タイムラプス”といって、カメラで卵子を継時的にチェックできて、極体を判断したり、分割のスピードを見たり、良好胚の判断をして移植をするという方法もあります。

 



 




保坂先生より まとめ


採卵回数も多く、ご本人としては焦る結果が続いているようですが、少しずつでも前進していると思って良いと思います。ある程度長期戦になるとは思いますが、方法を変えながら挑戦してみてください。



 



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お話を伺った先生のご紹介





保坂 猛 先生(三軒茶屋ウィメンズクリニック)


聖マリアンナ医科大学卒業。大田原赤十字病院勤務。聖マリアンナ医科大学産婦人科医長、
聖マリアンナ医科大学産婦人科非常勤講師。ファティリティクリニック東京勤務を経て、2011年三軒茶屋ウィメンズクリニックを開院。開院から6年が経過し「かなり地元にも密着したと感じています。大きな病院との連携もできて、ご希望の病院への紹介もたくさんできるようになっています」。


 



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