基礎体温とHCG注射と高温期
インタビュー 不妊治療
基礎体温とHCG注射と高温期
HCG注射をしたのに高温期にならない場合があるようです。そこで芝公園かみやまクリニックの神山洋先生に、考えられる可能性について質問してみました。
かなちんさん(43歳)
43歳です。子供は4人居ます。
最後に産んだのは7年前です。今回5人目が欲しくて排卵検査薬と基礎体温を確認しながら自己流でタイミングはかっていたのですが、化学流産になり、今度は病院行くことにしました。
先月29日に卵胞チェックしてもらうと22.6mmだったので明日あたりに排卵しそうなのでとタイミング指導頂き、HCGの注射をしてもらいました。
次の日、その次の日その次の日と中々高温期にならず1週間経過。その翌日に高温期になったのですが、ここで高温期1日目と考えるのか、それとも先月の排卵日30日辺りなので31日に高温期と数えるのかが判断つきません。
HCG注射の後は高温期にならないのですか。高温期が遅れるなんて初めてで…。
また、排卵が遅れた可能性はあるのでしょうか。
高温期は今日で6日目になります。本来、高温期が来るはずだった日から数えると、あと2日で生理が来る予定ですが、高温期14日目までは生理が来ないのでしょうか。昨日から生理前によくある下腹部痛、足の付け根痛みがあります。今後のアドバイスを含めてお教えください。
HCG注射をしたことで排卵が遅れる、高温期が来ないという可能性はありますか
通常、「成熟した卵胞がきちんと確認できている」、「頸管粘液も充分」な場合にHCG注射をうつと36時間以内に排卵します。
ただし卵胞チェックの際、成熟した卵胞だと思っていても小さな卵巣嚢腫などが見えていた場合は、結果として排卵しない、排卵が遅れるという状態になる可能性があります。
また、HCG注射をすると高温期が来なくなるということはありません。基礎体温は、外的な要因によってかなり測定値が左右されます。たとえば寝不足などが原因で正しい基礎体温が測定されないケースも見受けられます。
おそらく今回のかなちんさんの場合は、外的要因が原因で計測しても高温にならなかったのではないかと考えられます。
生理前の症状が出ているようですが、次の生理はいつ頃来るのでしょうか
下腹部痛や足の付け根の痛みなどの生理前症状も、生活リズムの変化やちょっとした環境の変化などで、症状の出る時期や強さなども変わってくることがあるため、これだけで「もうすぐ生理が来る」と判断するのは難しいでしょう。
今後、どういった治療をすすめていけばいいでしょうか
まずはきちんと排卵しているかを知るために、次周期にHCG注射をした後2~3日後に超音波で排卵しているか確認してもらうことが大切です。できれば、1~2周期は続けてきちんと排卵しているか確認してもらってください。
さらに接種してから1週間後に血液検査をし、黄体ホルモンの分泌状況をチェックしてもらってください。ちなみに黄体ホルモンは、赤ちゃんを迎える子宮の内膜を厚くする、体温をあげて妊娠を継続させやすい状態を作るなどの役割があります。
また、現在43歳とのことなので、卵巣の中にどのくらいの卵が残っているかの指標となるAMHを測定し、早めに治療をステップアップをすることをおすすめします。
神山先生よりひとこと
今回、「高温期にならない」「排卵日が遅れている可能性があるかも…」という相談でしたが、きちんと排卵しているか、その後黄体ホルモンが分泌されているかを確認するのも1回だけではわかりません。継続的にクリニックに通い続けてチェックしてもらうことが大切です。
また、ご自身の年齢も考慮してステップアップも視野に入れつつ治療をしていくことが妊娠への近道といえます。