結婚後、子どもができず不妊治療を開始。現在は、1歳の男の子のパパになったYさんのお話
コラム 不妊治療
結婚後、子どもができず不妊治療を開始。現在は、1歳の男の子のパパになったYさんのお話
「子どもをもつことに執着したい。」結婚後、子どもができず不妊治療を開始。現在は、1歳の男の子のパパというYさんにこれまでのお話を聞きました。
33歳で結婚。彼女は20代後半で子宮筋腫が見つかり、流産歴もあったので、結婚と同時に手術。手術後すぐに自然妊娠したものの、再び流産してしまい、不妊治療の専門クリニックと、不育症専門のクリニックにも通うことに。結局、出産にいたるまで、5つのクリニックをはしごする結果となりました。
5年間にわたる治療の過程でよく話し合ったのは、「僕たち、もしかしたら、子どもがいなくてもいいんじゃないか」ということ。途中で、それでもいいよねと、お互いにだんだん慰め合うような感じになってきて……。ある時、このままダラダラ治療を続けるのはよくないなと。欲しいものがあるのなら、もっと執着しなければ手に入らないんじゃないか?子どもを産むことにもっと執着しようと考えるようになりました。
結婚から4年経った37歳の時、自分も何か調べられることがあればと思い立ち、初めて起こした行動が、男性不妊外来の予約を取ること。通院していたクリニックに開設されていたので、軽い気持ちで受診したのですが、初診で医師にいきなり股間をつかまれ、「これですね」と、精索静脈瘤の診断をされたのには驚きました。
妻に子宮筋腫の治療歴や流産歴があったので、今までずっと子どもができないのは妻のほうに原因があるとばかり思っていたのです。なのに自分だったなんて! 正直かなりショック。でも、原因の一端が見えたことで、少しホッとしました。
そこからは最短距離だったと思います。精索静脈瘤の手術をしても、精液所見のデータがアップするまで一年以上かかると聞き、二人の年齢を考えると時間がもったいないと感じて、漢方薬やサプリメントで改善しながら、より妊娠率が高まる顕微授精を選択することにしました。理想は薬で精液のデータが回復し、自然妊娠できることでした。でも、正直、薬を飲みながら、毎週、精液検査のために通院するのはしんどかったですね。
一人で日曜日の朝、電車でクリニックまで行って、狭い部屋で採精しては検査を受けることの繰り返し。精液のデータって、朝と夜で違うし、家とクリニックでも違う。努力したからといって少しずつ右肩上がりによくなるものでもなく、だんだんつらくなってきました。一人でやる孤独な作業のやるせなさ、数字のプレッシャーもありました。今までの妻のつらさも、この時に少しわかったような。この時の男性不妊の先生のカウンセリングにはとても感謝しているんです。男性は少し尻を叩かれるくらいのほうがいい。先生に言われてタバコもやめました。
子どもが生まれて今、妻はとても幸せそうです。男の子で、もうすぐ1歳。手がかかって忙しいのも何だかうれしそうで、よっぽど欲しかったんだろうなって。子どもが欲しいという気持ちを確認しあい、二人で共有しながら取り組んだことが、よい結果につながったのかもしれませんね。一人目ができた瞬間に「二人目がほしい!」と思ったそうなので、その気持ちを絶やさないうちに次のことも二人で考えています。
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