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ストレスをためずに回避するためのコツとは? ~ジネコ妊活セミナー~

コラム 不妊治療

ストレスをためずに回避するためのコツとは? ~ジネコ妊活セミナー~

セミナーレポート

2016.9.12

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2016年5月29日に行われたジネコ 妊活セミナーより


ストレスをためずに回避するためのコツとは?


2016年5月29日(日)、京都市内で「妊活セミナー in 京都」を開催しました。第1部では、ファイナンシャルプランナーの大曽真奈美先生に「妊活中に知っておきたいお金のこと」について、第2部では、田村秀子婦人科医院の田村秀子先生に「ストレスに負けない不妊治療」についてお話いただきました。今回は、第2部の一部をお届けします。


 妊娠のメカニズムは神秘に包まれている!


(はじめに)
まず冒頭で、妊娠のメカニズムをドラマチックに描いた映像を上映された田村先生。たった一つの卵子を目指して数億の精子が旅をする、神秘に満ちた妊娠までの道のりをわかりやすく解説されました。

すごいと思いません?みなさん!卵に向かう精子の旅で、卵の中に入っていけるのはたった一つの一番乗りの精子だけ。この映像で妊娠というものがいかにミラクルなことかわかっていただけたのではないでしょうか。
不妊治療において、妊娠に対する感情は男性と女性では温度差を感じてしまうことが多いと思います。最初に女性の方に言っておきますけれど、女性は本能で子どもを持とうと思いますが、男性の父性は理性です。ですから、「なぜわかってくれないの?」ではなく、男性は女性の喜怒哀楽に付き合ってくれていると思っておいたほうがいいでしょう。女性の排卵後のイライラにもじっと耐え、そーっと嵐が過ぎ去るのを待ってくれています(笑)。そして、生理が終わったら人が変わったみたいに落ち込んでいるわけ。そういうときは後ろからそっと優しくハグしてあげてみてください。それも男性の大切な仕事だと私は思います。
そして女性は自分の体ばかり眺めて毎日過ごさないこと。治療中だからといって、そのことばかりに縛られないことが大切です。毎月、きちんと生理がある人であれば、生理が来るのは当たり前。つまり生理が来ない確率のほうが低いわけです。生理が来る、来ないで一喜一憂すると必ずストレスにつながりますので、そう考えることで、少なからず心を平和に保つことができると思います。


 ストレスはなぜ不妊の敵なのか


一般に「ストレスは体によくない」と言われていますけれど、では、どうしてストレスがかかると不妊にも影響が現れるのでしょうか?
実はストレスが伝わるメカニズムと排卵が起こるメカニズムは、どのホルモンが分泌されるかという違いだけで、経路はすべて同じです。脳内から。つまり脳に強いストレスがかかって脳内のホルモンの乱れが起これば、同時に卵巣や子宮へのホルモンの乱れも起こっているわけですね。ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン、これらはいわゆるストレスを司るキーとなる神経伝達物質ですが、中でも精神を安定させ、幸福感を生み出すセロトニンが不足すると体はバランスを崩し、健康が保てなくなります。
よく言うのですが、不妊治療は受験勉強のようにはいきません。勉強は自分で到達度を決めて、それをやったらやっただけ「達成された!」という満足感が得られますが、不妊治療は“自分の努力の外”で結果が現れることがしばしばです。どんなに努力しようとも、妊娠という望んだ結果が得られるか得られないかわからない、そこに大きなストレスが生まれるのです。だからこそ、セロトニンを増やすことによって、自分の心の安定を図ることがとても重要です。


 一番大切なのは平常心


では、セロトニンを増やすにはどうすればいいか?これはもうみなさんもよくご存知のことばかりかもしれませんね(笑)。早寝早起きなどの規則正しい生活、ウォーキングなどのリズム運動、太陽光を浴びる、バランスの取れた食事、呼吸を整えるなど……できるとことから少しでも取り入れていただけるといいでしょう。レーザー治療や鍼灸で思うように結果が出ないとき、最近、注目されている抗酸化物質、サプリメントなどを組み合わせることで効果が生まれる場合があります。
でも妊活中のみなさんに私が心からお伝えしたいのは、一番大事なのは日々の生活で平常心を保つということ。みなさんは、目の前の「妊娠」に気を取られ、本来の自分の目標であるはずの「楽しい人生を送る」ということを忘れてはいないでしょうか。「子どもがいないと私の人生は完遂できない」そんな風に思っていませんか? 人生を形づくるジグゾーパズルの最後の一コマが妊娠ではないはず。たとえ妊娠できなくてもパズルは完成できるのです。先程お話したように、過剰な期待、過剰な不安はホルモンの乱れに通じ、幸福を感じるセロトニンの分泌を減らし、卵の質に影響を及ぼします。
最近、夫婦で会話をしていますか?60歳になったときの夫婦の日常を想像してみたことはありますか?そのときを楽しく想像することができるよう、お互いを理解し合うことも大切です。子どもは巣立っていけば夫婦ふたりの生活なのですから。これは決して子どもを諦めるための考え方ではありません。あくまでもセロトニンを増やし、ストレスを軽減することで、卵の質を少しでもアップするための環境づくりと心得て実践してみてください。


「人間は弱いもの」という田村先生。ストレスをためない、回避するためのコツをすぐに実践できる身近なところから提案していただきました。人生の目標を見失わないためにも、目の前の妊娠だけにとらわれないこと、平常心が大切というお話に多くの参加者が勇気をもらうことができました。





田村秀子婦人科医院 田村秀子先生

京都府立医科大学卒業。同大学院修了後、京都第一赤十字病院に勤務。1991年、自ら不妊治療をして双子を出産したのを機に、義父の経営する田村産婦人科 医院に勤め、1995年に不妊部門の現クリニックを開設。高度生殖医療を必要とする方には最高級の治療を行うことに尽力をしている一方、そのような治療が必要でない方には出来るだけストレスがなく、「治療をしている」という意識を持って頂かないような診療を目指しています。

≫ 田村秀子婦人科医院




 






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