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心の玉手箱 Vol.31 「検査で次々と判明するマイナス要素の結果に、妊活半年で心が折れそう…」

コラム 不妊治療

心の玉手箱 Vol.31 「検査で次々と判明するマイナス要素の結果に、妊活半年で心が折れそう…」

2017春 P84-85

2017.6.2

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田村秀子先生の心の玉手箱 Vol.31


田村 秀子 先生(田村秀子婦人科医院)




検査で次々と判明するマイナス要素の結果に、妊活半年で心が折れそう……。前向きに治療に向かうにはどうすればよいのでしょう?秀子先生にお話を伺いました。




投稿者:みおこさん(自営業• 34歳)からの投稿


妊活をして半年くらい。治療をされている方々に叱られそうですが、検査で約2カ月経ち、もうすでに心が折れそうです。子宮卵管造影、ホルモン検査、つい1年前に打ったはずの風しん予防接種の抗体が8倍とわかり、また打たないといけないハメに……。多嚢胞性卵巣症候群とも診断され、今はブドウ糖負荷試験の結果待ちです。一番のダメージは精液検査でした。再検査が必要だけど、もう悪い結果を聞いてダメージを受けたくない。年齢もあって早く治療を進めていかねばならないのは重々承知ですが、どうしてもつらいのです。



 




投稿に寄せられたコメント




投稿者:もう師走さん(主婦・36歳)


そんなこと言っても年齢は待ってくれないので、次は年齢による不妊というか、妊娠しづらくなってきますよ。ダメージを受けたくないといっても現実を受け止めて、どんどん検査や治療をしていかないといけないと思います。みおこさん、妊娠出産するには決してお若くないのですから、引きずってばかりだと時間の無駄です。つらいだろうけど同時に検査してできるだけ早く、顕微授精などへ進まれたほうがよいのではないでしょうか。


投稿者:さちこさん(秘密・秘密)


みおこさんは高度生殖医療をしてまで子どもが欲しいとは思わないのかなと感じました。違っていたらごめんなさい。もしなるべく自然に過ごしたいなら、医師に相談して軽い誘発でタイミングをとることから治療を始めてもいいのでは? でも私ならそんな時間の無駄になることはしないな。検査結果を聞いてそれでもうつらいなら仕方ないと思います。どのくらい子どもを欲しいと思っているのか、どこまでの治療ならしてもいいと思っているのかなど、夫婦でよく話し合うといいと思いますよ。





 



治療は始まったばかりもしかするとまだ始まってもいない?


もう34歳とおっしゃっているけれど、少なくとも“もう”なんて言わないこと。まだ34歳です!
 治療といっても、まだごくごく初期の段階。治療ともいえない検査の時期ですね。ちょっとでも悪いところが見つかったら、それは先に進む“道具”になるわけですから、前向きにとらえていきましょう。

たとえば、ご主人の精液検査の結果が、一番ダメージが大きかったとのこと。1回目はご主人の採取の方法に問題があったかもしれませんし、もう一度調べてみる必要があるでしょう。最初にとんでもなく少なかった人が2回目以降は正常値ということもよくあるケースです。

“もう悪い結果を聞いてダメージを受けたくない”なんて、それでは先へ進むことができません。再検査で悪い結果が出たとしても、これを機に人工授精や顕微授精など、男性不妊の勉強をして早めに視野を広げておくことも悪くないと思います。


事実は事実として受け入れながら気持ちをラクに


ご主人の精液検査の結果が顕微授精レベル、予防接種を受けたはずの風しん抗体検査の結果が8倍、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断され……、落ち込む気持ちもわかりますが、そこでずーっと立ち止まっていると、結局何も始まりません。

とはいえ妊活半年くらいでつまずいて、悩んでいる方って結構多いんです。そもそも病院に行けばすぐに妊娠できると思うのが大間違い(笑)。病院は、まるで重箱の隅を突くようにいろんな検査をして、悪いところを探すところです。みおこさんも、「一度に悪いところが2つも見つかってラッキー!」くらいに思っておきましょう。

風しんの抗体検査にしても、ワクチンを打ったのになぜ? と思われるかもしれませんが、ワクチンを打った後に抗体の検査をしないところもあります。そうすると予防接種をしたからと安心して感染してしまうことも……。そう思えば、みおこさんはきちんと抗体検査をしてもらってとてもラッキーだったわけです! 事実は事実として受け入れて、そんなふうに考えていけると、少し気持ちがラクになるかもしれませんね。


相談すべきはドクター 治療に積極的な姿勢を見せましょう


風しん抗体検査も、PCOSのブドウ糖負荷試験にしても、とても手厚く診てくださっている病院だと思います。担当医の先生にもっとご相談されてみてはいかがでしょう?

もし再検査でご主人の精子が本当に少なかったとしても、前述のようによくお勉強しておくといいですね。そうすることでワンクッション入り、ショックも和らぎます。ただし、信頼できるドクターが書いた記事などで。正確な知識をもったうえで、どういう治療がいいのか選択できるようになっておいてください。

医師は日々、本当にいろんな患者さんと接しているわけです。同じ34歳の方でも、絶対に薬は飲みたくないという人もいれば、最初から体外受精で治療してほしいという方もいらっしゃいます。もし早く次の治療に進みたいと思われるなら、積極的な態度でアピールするべき。そうでないと先生に伝わりません。

あくまでも自分の意志を反映しながら進めるのが不妊治療です。ここまでの治療はできるけど、ここからはできないと、意志をしっかり伝えることが大事。まずは素直に自分の今の気持ちを話してみませんか?


 


 



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先生のご紹介





田村 秀子 先生(田村秀子婦人科医院)


京都府立医科大学卒業。同大学院修了後、京都第一赤十字病院に勤務。1991年、自ら不妊治療をして双子を出産したのを機に、義父の経営する田村産婦人科医院に勤め、1995年に不妊部門の現クリニックを開設。東京と京都の往復で超多忙を極める秀子先生。最近の楽しみは、スタッフと一緒に作って食べるお昼ご飯だそう。手早く簡単にできる秀子先生のレシピは、スタッフの間でも人気の的!

≫ 田村秀子婦人科医院


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.33 2017 Spring
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